わたしの非日常は医大生の日常

一昨年、風邪のつもりで行った町医者から、そのまま救急搬送されたことがありました。

結果的になんでもなかったんですが、その日は風邪の症状が出ていたこともあってぼんやりしたまま搬送され、救急車の乗り心地は最悪だし、足の付け根あたりから注射?採血?されたときはもう今までこんな痛いの知らなかった!ってくらい痛かったし、自分に一体何が起こっているのかさっぱり分からず、それなりに不安な思いをしていたわけです。

CTやMRI、超音波、色んな検査を受けるためにストレッチャーに横になったまま移動したような記憶があります。ストレッチャーを押してくれていたのは、医大生のようでした。「来年どうするか決めた?」「まだ」「先輩は◯◯って言ってたわ」「まじか」というような会話が聞こえてきたのです。何気ない会話です。だけど、わたしはその会話にひどく安心したのでした。

 

突然救急搬送され、わたしはいわば非日常の渦中にあったわけです。

でも、わたしを運んでくれた医大生にとって、患者を乗せたストレッチャーを検査室まで運ぶ、その最中にふとした会話を交わすことは当たり前の、日常ことなんだ。

そう思ったら、不安な気持ちがすーっと軽くなったのでした。

 

1年以上経ち、定期検診のために久しぶりに病院に来たら、そんなことをしみじみと思い出したのでした。